余談1  傲慢な人(喚く人)

余談1 傲慢な人たち(喚く人)

人生で、傲慢な人(理不尽に喚く人)達に出会ったエピソードを紹介しておこうと思います。先ずは、20代です。スポーツ用品業界です。

傲慢な人(1)『家に火をつけたるぞ!』は口癖・・・?

家に火をつけたるぞ!と言われた事が、人生で2度あります。
1度目は、20代のスポーツ業界に勤めていたころですが、取引先(小売店等)の中で、一番売り上げの大きいスポーツチェーン店ですごく傲慢な人がいました。こちらは、買ってもらう側で、お相手は大きな仕入れをしてくれている会社の部長さんなのですが、意にそぐわないことがあると、直ぐに切れてしまいます。

コチラの電話応対した女性は、『すぐにもの(商品)を送って来い!』と喚かれたらしいのですが、在庫のない高額商品なので断ると『すぐに用意しなかったら、家に火を付けたる!』と、言われたらしいのです。彼女は、何回もその人に、家を燃やすと言われてた見たいです。
たまたま、担当の営業の私が電話を変わったのですが、同様に、『今すぐに、用意しろ!じゃないと、お前の家にも、火をつけたるぞ!』と仰るわけです。普段は、そんな事はない普通の人ですが、商品自体が人気の商品なんですが、受注発注みたいな形になっており、余計な在庫もなく数量にも限度があり、すぐには作れない輸入品。普段から沢山いろんなものを買ってやってると言う意識もあるし、数万円程する商品なので、売り上げを上げたいと必死だったんだと思います。

傲慢な人(2)『通称スピッツ  俺は、この業界に入って10年!業界では認められた存在!お前みたいなやつに偉そうにされるのが腹が立つ

ある代理店(代理店の中では、一番の取引金額)なのですが、何かクレームとかトラブルがあると、上司の主任さんや先輩は、業界ではうるさくて超有名な人(通称スピッツ)が窓口担当者なので、『とりあえず、○○君、○○○(代理店)へ行って来て!』と、新人の私にそちらへ向かわせます(クレーム処理係を担わされる)。

上司は、クレームが入っても、何のことかわからない新入社員の私に謝りに行かせて、ガス抜き(処理)をしようとするのですが、先方は、喚き散らす人(通称スピッツ)がいるわけです。こちらは、ひたすら反論もせずその喚き声を聞いてる(聞き上手に徹する)だけでした。俺は、この業界に入って10年!業界では認められた存在!お前みたいな新人に偉そうにされるのがむかつく(腹が立つ!)』みたいなことを言うわけです。何も分かってない、新入社員の私に喚き倒す(キャンキャン喚くから、あだ名は通称スピッツ)わけです。でも、こちらは、偉そうになんかしてないのですが、会社が新卒の人間しか寄こさないと言う適当な対応にも激怒。益々、火に油を注ぐようなもの。こちらには、かなりの悪い所がありました。

でも、代理店社内であまりにもその人(スピッツ)が喚き散らすので、その代理店の女子達は、『可哀そうやね、我慢しいや。』と、みんなが同情してくれるほどでした。

さらに、その事務所に支店長がいると、余計にスピッツは、ヒートアップする(喚き散らす)のです。多分、「しっかり仕事をしているアピール」して、ゴマをすっているだけと思いますね。支店長が居るときと、居ないときでは明確に違います。こちらは彼の、ゴマすりにも利用されてるわけです。 でも、ひたすら相手の言い分を聞いていると、時間切れタイムアウト状態にもなるし、自分だけ怒りまくる事が、周りからは冷めて見られるのも段々分かってくるみたいで、怒りも収まってきます。

当時、*問屋(代理店)不要論が、ささやかれており、喚き散らす人(通称スピッツ)は、我々メーカーに対してイラついていたんだと思います。私の様な、新人にはそうなってました。

*【問屋不要論】
問屋不要論とは、1960年代ごろからの流通革命により、大量生産、大量消費、チェーン店化が進められるようになり、メーカーから小売店に直接商品を搬送することが出来、中間に存在する問屋は無用になるという概念。以前は、代理店が、小売店の倉庫代わりにもなってました。ただ、実際には問屋が無くなることで小売店が不利になったり、問屋の方も新しい経営戦略やシステム構築を行っているため、問屋不要論が唱えられてから50年以上が経った現在でも問屋(代理店=卸業者)は存在しているようです。ただ、スポーツ業界では、零細な小売店が淘汰され、大型小売店やネット通販が普及したため問屋(代理店=卸業者)の数は、相当減っているみたいですね。
また、スポーツ業界では、メーカーと小売店との間の商品の流通以外に、問屋(代理店=卸業者)が、金融の部分を担っていた(小売店の支払いの面倒を見る等)のは大きい(しばらくは、問屋が生き残れた)と思います。

傲慢な人(3)『耳を揃えて持ってこい!

これもスピッツの居た問屋(代理店)の話ですが、その問屋(代理店)新入社員から、その彼が担当している小売店が、在庫のない人気商品(スキーブーツ)の注文をして来た(当時は、客注と言ってました)から、どうしても納品したい(売り上げを作りたい)から探してくれと私に依頼をしてきました。高級な受注発注商品なので、一部の有名小売店に並んでいるだけで、全くメーカー側にも在庫のない商品でした。

その小売店は、取り扱い実績もほとんど無く、販売力もあまり無かったうえ、その商品は、一番人気の高級品。自分の店の店頭に並んでない商品(サイズ)で、在庫も無い(仕入れる予算が無い)のにエンドユーザーから受注する(客注)わけです。多分カタログとかを見せて、注文を取ってしまうんだろうと思います。売り上げにしたいし、客(エンドユーザー)を引き留めたいので、欲しいのは分かります。小売店に、在庫がないなら、代理店(問屋)が対応しなければならないのですが、代理店(問屋)も在庫は持ってない(持てない)し、しかも担当者は新人。新人の担当者は、目先の売上が欲しいから、必死になってるわけです。コチラ(メーカー側)は、実績のない小売店には、協力する(必要)気もない。

『当然在庫は無いと、断る』のですが、そうするとその新入社員が どこどこの『〇〇〇(力のある有名小売店)に、その商品が並んでいる。依頼返品して、持って来い。』と連絡をして来るのです。こちらも、『その商品を並べてくれている小売店(スポーツショップ)がちゃんと、お金を出して買ってくれた(仕入れてくれた)商品なので、それは出来ません!』ときっぱり、返事したら、『じゃ、お前が、あの小売店へ行って、金を出して買って来い!』冒頭の耳を揃えて持ってこい!と喚きました。2代目スピッツの誕生の瞬間でした。新入社員なのに、よくもまあ、理不尽な要求をしたものですが、もちろんこちらは、無視!言わせておけ!と言う感じ。

耳を揃えて持ってこい!』は、お金の貸し借りなどで良く使う言葉の様ですが、本当にレベルの低い男でした。大体、理不尽にわめく人間は、自分の思うように物事がいかない時は、感情に任せて言葉を発するだけと言う事を知りました。
彼は、スポーツ業界と思って就職したのに、実態は、問屋なので、自社ブランドと言えるものほとんどない。小売店とメーカーの中間で、配送業兼倉庫業と金融業見たいなことやらされてるのもストレスがあったようです。さらに、当時は「サラ金問題」が社会を賑わしており、『耳を揃えて持ってこい!』と言う言葉を使ってみたかったのでしょう。

言わせておけば良いのですが、聞いてるだけと言うのは、中々辛いものです。

傲慢な人(4)『誠意を見せろ!』

これもスポーツ業界に居た時の話です。
地域一番店のある超有名小売店なのですが、初めは、文句ばっかり言われていた(ひたすら聞いていた)のですが、何とか少しずつ売り上げをつくる事が
出来るようになってました。販売応援にも土日はもちろん、会社帰りの夕方にも行くようにしていました。次第に、密な関係が作れたことで、驚くほど、たくさんの注文も頂ける小売店も出来るようになっていました。1杯のお酒も不要で、もちろん、100杯の珈琲も要りませんでした。

会社の裏切り

ある年(入社5年目くらい)、その小売店と私で、今年は、私の会社が取り扱っていた次期商品(レディースのスキー)を、珍しく見た目が、女性受けする品のあるデザインだったので、女性用のメインとして売って行こうと言う話になったのです。他の小売店では、ほとんど取り扱いをしてくれないメーカーなので、その小売店にとっては差別化できるし、少し安く卸すと言う話でにぎった(契約した)のです。もちろん東京の、本部も了解済みでした。

しかし、見事に、会社が裏切ってくれました。ちょうどスキーシーズンの幕開けとなる12月の中旬位に、スポーツ新聞上で、ある大型全国テェーンのスポーツ店が、全品半額セールと広告を載せたのです。しかも、私がにぎった(特別に契約した)商品の写真が、目玉として載っており、同時にTVコマーシャルでも太鼓を叩きながら、全品半額みたいな広告を流し始めたのです。半額と言うのは、その小売店の特別(契約した)価格の値段位なのです。

実力のない(営業力の無い)、他の営業所が年度末の決算に向けて、会社に残っていた商品(在庫)を大型スポーツチェーンに、決算対策の特別価格(半値八掛け位)で売ってた見たいです。価格を下げれば、誰でもある程度は売れるのですが、本当に、こんなレベルの低い会社に居るのは嫌だと感じましたね。⇒東京の本部では、(特別に契約した)商品であることを知ってたから、調整も出来るはず。

すぐに来い!誠意を見せろ!

会社に、出社したら『新聞見たか?すぐに来い!』とその小売店から連絡があり、代理店からも電話の嵐。慌てて、小売店へ飛んで行ったのですが、全く、コチラは、なぜそんな事をする(出来る)のか分からず事情説明する事も出来ません『ひたすら謝るだけ』。
先方の部長に、事務所に連れていかれ『事情説明をしろ!』そして、『誠意を見せろ!』と言われ続け、昼の12時ごろから、夜中の12時ごろまで喚かれてました。その頃の私には、『誠意を見せろ!』と言う、怪しげな言葉の意味も分かりませんでした。

責任取って会社辞めます!

結局、最後(夜中の12時ごろ)は『何も出来ないけれど、では、責任取って会社辞めます!』と言って帰ったのです。
翌日、代理店の支店長から上司の部長に「あいつを、辞めさせても意味がない。可哀そう」と、連絡があり、辞めないことにはなりました。
小売り店の部長から、代理店(問屋)の支店長に、連絡が入ったみたいです。

誠意を見せる!

しかし、結局『誠意を見せる!』為に、安く仕切り直し(半額にして売っても利益が出る価格)て納品したのです。
ただその小売店は、より安く仕入れる事が出来たのですが、当時はメチャクチャ販売力があり、それほど値引きせずに完売(大儲けになった)。
もちろん、私も、販売応援に行って売りまくったのですけどね。

『誠意を見せろ!』と言うのは、結局、もっと仕入れ価格を下げさせる要求だった様です。
でも、決して金品の要求はしないし、そぶりも見せない。解決方法は、お前らに任せる!ただ、『誠意を見せろ!』と言うだけ
そういう、クレームのごり押しってあるんだと言う事に気付いたのがその時でした。

トラブル対応のヒント

クレーム対応する時は、『ひたすら相手の言う事を聞き言い返さず落ち着くのを待っている』=怒られ役に徹する のが、一番の様にその時は感じてました。そういう人(怒ってる人=)って、理不尽な要求等をしすぎて自滅したりもします。そうすると、コチラは言い返さなくても、自分で落ち着こうとしてきます。そういう風にすると、ようやく正しい処理が見えて来て結局収まる事が多いように思います。
ただ、そのトラブルの原因の多くは、私のいた会社にありました。そんな事もあり、面倒くさい事は、『あいつ』にやらせておけみたいになって、入社1-2年目で、クレーム処理係(怒られ役)みたいになりました。

こういう経験は、とても自分にとっては、後々の人生においてとても勉強になりました。

トラブルがあったら、いの一番に、相手の懐に飛び込み、相手の話をひたすら聞き(聞き上手になる)、相手を落ち着かせること。そして理不尽な要求(要望)があれば、それが答えるだけの意味があるかを冷静に判断するだけで良い。おかしければ突っぱねればよい(無視する)。

理不尽ではなく、真っ当なクレームの時にも使えます。

今になって分かってきたのですが、トラブル/クレーム対応する時(ヒント)は、先ずは、(相手の話をひたすら聞き(聞き上手になる)、相手を落ち着いてもらう事)じゃないかなと思います。初動を、きちんとする事も重要です。